《お茶について考える(その3)》

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(9)日本茶の価格

(イ) 袋入り、缶入り

『知識ゼロからの日本茶入門』では、市販されている袋入りと缶入りと日本茶について取り上げている(62-68頁)。このうち、煎茶と抹茶について表形式にまとめて示すと次表のようになる。

[煎茶]

キャッチ・フレーズ

産地

品名

特徴

販売価格

販売者名

電話番号

1 大正5年創業の老舗

熟練業が光る風味

静岡県

煎茶 新緑 安倍川上流、本山の指定茶園にて栽培された茶葉を、熟練の茶師が仕上げた上級煎茶。絶妙な火入れで引き出された旨みが美味。

100g

1,050円

白形傳四朗商店

0088-22-6666

2 名茶匠ブレンドで

やすらぎの時間を

静岡県

やすらぎの雫

TV番組での優勝経験を持つ茶匠・前田冨佐男氏のお茶。やぶきたなど、4品種の茶をブレンドし、味、香り、水色を存分に楽しめる逸品。

100g

1,575円

前田金三郎商店

054-252-2098

3 名人が吟味した

3種のお茶を賞味

静岡県

緑の雫

利き茶名人・前田文男氏のブレンド力が光る逸品。本山茶、初倉茶、高知県吾川村の3品種を合わせたお茶は香苦渋甘のバランスが絶妙。

100g

1,000円

前田幸太郎商店

054-271-1950

4 風土と名人が作る

後味爽快の煎茶

京都府

大杉煎茶

やぶきた

宇治田原は良質の茶栽培地で有名。農林水産祭で天皇杯を受賞した下岡氏が作る煎茶は、清涼感のある香気と苦みを持ち、後味爽快。

100g

1,000円

久五郎茶園

0774-88-2308

5 清涼な風土が生む

まろやかな旨み

福岡県

媛しずく

八女地方の最も山奥、標高700mにある矢部村で栽培された上級煎茶。高地特有の朝霧が生み出す旨みと爽快感が絶妙なバランス。

100g

1,050円

栗原製茶

0943-47-2073

6 ふわり甘い香気と

深い風味を堪能

鹿児島県

千両

鹿児島が誇る品種、ゆたかみどりを100%使用した深蒸し煎茶。独特の甘い香りとほのかな苦み、とろっとマイルドな口当たりが美味。

100g

1,050円

下堂園

0120-25-2337

7 山間地が育んだ

やさしい滋味

静岡県

川根茶

一番摘み

川根地区にある農林水産大臣賞を何度も受賞している農園。山間地特有の朝霧とやわらかな日差しが育む、滋養豊富な味わいが秀逸。

100g

1,050円

相藤農園

0547-57-2703

8 ()(ちょう)()が香る

個性派の品種茶

埼玉県

さやまかおり

品評会入賞の常連、比留間氏の茶園。萎凋香と旨みが調和したさやまかおり、ゆめわかばなどの品種茶、日本一の極上手もみ茶も販売。

100g

1,050円

茶工房 比留間園

0120-51-4188

  平均販売価格

 

100g

1103円

(g当たりの単価)

11.03円

 

[抹茶]

 

キャッチ・フレーズ

産地

品名

特徴

販売価格

販売者名

電話番号

1 1875年創業の

家元御用達の老舗

京都府

御薄茶

峰の白

宇治に自家園を持つ茶舗。店頭奥の石臼で挽く、昔ながらの製法の抹茶は苦みが少なく、あっさり。喉に広がる上品な余韻が愉しめる。

38g

1,785円

柳桜園茶舗

(りゅうおうえんちゃほ)

075-231-3693

2 700年の歴史を持つ

愛知 西尾の抹茶

愛知県

松風の昔

愛知は三河・西尾抹茶の老舗。創業以来の製法は、一葉一葉を手で摘み採り、熟練の茶匠が石臼できめ細かに挽きあげた逸品。

30g

1,050円

南山園

0566-99-0128

3 およそ290年の歴史を誇る老舗の味わい

京都府

京極の昔

享保2年創業の日本茶専門店。濃厚な旨みと香りが特徴の「京極の昔」は濃茶にも。ほか、抹茶は約10銘柄(20g315円~)が揃う。

20g

1,260円

(京都地区限定販売)

一保堂茶舗

075-211-3421

4 上品な香りと旨味

上質が際立つ銘茶

京都府

御薄茶

琵琶の白

創業450年の老舗。足利義満が拓いた宇治七園の古園の名を冠した抹茶は、上林家に伝わる銘茶。上品な香りと旨みを味わいたい。

20g

893円

上林春松本店

0774-23-8855

  平均販売価格

 

27g

1,247円

(g当たりの単価)

46.19円

なお、私は自宅にいるときには、お茶の色が濃く、風味があり、かつ一杯あたり(2g)の単価が安い、次の「抹茶入玄米茶」を使用している。

商品名

名称

原材料名

販売価格

g当たりの単価

販売者名

抹茶入玄米茶PB

抹茶入玄米茶

玄米(国産)

緑茶(静岡県産)

抹茶(静岡県産)

200g

540円

2.7円

株式会社サカガミ

東京都豊島区駒込6-35-1

 

(ロ) ティーバッグ茶

ティーバッグ茶は手軽にどこでも利用できるために便利なものである。ここでは私が日常利用しているもののほか、本稿執筆のためスーパーマーケットで購入したものを取り上げて示すと、次のとおりである。

区分

品 名

製造者・輸入業者

原産地

内容量

販売価格

1袋あたり単価

宇治抹茶入り

玄米茶

伊藤園

日本

46g(2杯分20袋)

366円

18円

一番茶入り

ほうじ茶

伊藤園

日本

36g(2杯分20袋)

366円

18円

コーン茶

大象ジャパン

大韓民国

150g(15袋)

284円

19円

そば茶

伊藤園

中国

84g(14袋)

537円

38円

にんじん茶

国太楼

日本

20g(10袋)

398円

40円

ごぼう茶

国太楼

日本

15g(10袋)

398円

40円

なお、①玄米茶と②ほうじ茶は1袋で2杯分であるから、1杯あたりの単価は9円と割安となる。

私は研究室にいるときや時間がないとき、少人数のとき、あるいは旅行に出かけたときなどは、ティーバッグ茶①を、夜中に起きたときは②を利用することが多い。

 

(ハ) 緑茶缶・ペットボトル茶

緑茶缶は1982(昭和57)年に駅弁用として市販され、緑茶のペットボトルは1990(平成2)年に市販が始まった(『日本茶のすべてがわかる本』147頁)。『以降、平成8年(1996)のペットボトルの小型化に伴って、緑茶飲料は烏龍茶飲料を凌ぎ、茶系飲料の主流となっています。平成19年(2007)の生産量はおよそ250万kℓと、わずか10年前の5倍となっています。これは、赤ん坊から老人まで含めて、500㎖ペットボトルを年間国民1人あたり38本飲んだ計算になります。』(同上. 172頁)。現在では長時間の会議などでは茶出しの準備や後かたづけの時間を省くためペットボトル茶の利用が多くなり、また出かける際に水筒に自分でお茶を入れるかわりに手軽なペットボトル茶を利用する人も多くなった。

一般のペットボトル茶は500㎖入りで80~150円であるが、体脂肪を減らす「特茶」は170~200円である。さらに伊藤園の「お~いお茶 玉露緑茶」は1,000円もするが、ホテルニューオータニのスーパー「サカガミ」では1日に5~6本は売れているという。私も1本購入して飲んだが、通常の品の10倍の価値があるかどうかについては確証が得られなかった。このほか脂肪の吸収を抑え、脂肪がつきにくいサントリー「黒烏龍茶」はイオンスーパーで156円で販売している。いずれにしても500㎖のお茶を自分で淹れて水筒または空のペットボトルに入れれば25円程度ですむことから、ペットボトル茶は意外に高いものであると思われる。

 

(10)茶の木に関する病気と害虫

お茶を生産するには病害虫に対処しなければならないが、茶木について、『チャを襲う病気は数多くあり、侵される部分は新芽・葉・根・茎とそれぞれ異なります。品種によってかかりやすい病気は異なりますが、主なものに(たん)()病・もち病・(あか)(やけ)病・輪斑(りんはん)病・(しん)(しょう)()()症などがあります。』(『日本茶のすべてがわかる本』94頁)。また害虫について、『一方、茶園には害虫も多く、日本では106種と言われていますが、このうち防除を必要とするのは十数種類です。』(同上)とされている。これらに対して『病害虫を防ぐために、チャには必要最小限の農薬が使われています。農薬には、殺菌剤・殺虫剤・除草剤などがあり、殺菌剤には、病気の予防が主体の保護剤と治療効果のある治療剤があります。農薬の使用は、農薬取締法や食品衛生法、水質汚濁防止法などの法令により、使用時期や使用方法、残留基準などが厳しく制限されています。食品中の農薬の残留基準は、食品衛生法によって「一生、毎日食べても健康に影響がないと考えられる量」と定められています。』(同上. 96頁)とあり、『また、農薬などを減らした作物は平成15年に農林水産省により「特別栽培」の基準が定められました。特別栽培の作物とは、通常の作物よりも化学合成農薬・化学肥料の使用を5割以下に抑えたものです。お茶の場合は、「特別栽培茶」と呼ばれます。』(同上)とされている。

私が社外監査役を務めるアグロ カネショウ株式会社(東証一部上場)では、茶木に関する病害虫を有効に駆除するための農薬を農家に提供している。

 

(11)日本茶の専門家

日本茶の普及のためにNPO法人日本茶インストラクター協会(〒105-0021 東京都港区東新橋2-8-5 東京茶業会館5階 TEL 03-5402-6079)では、『日本茶インストラクターと日本茶アドバイザーは、日本茶文化と日本茶の正しい知識の理解と普及を進め、日本茶と消費者の接点となるための指導者です。』(『日本茶のすべてがわかる本』18頁)。そのための検定試験について、『現在、日本茶インストラクターは約3700名、日本茶アドバイザーは約9000名(2014年4月現在)が活躍しています。いずれも毎年1回行われる認定試験により認定されますが、最近では、茶業関係者だけでなく、お茶に関心のある一般の人も多数受験しています。』(同上)とされている。

このほか日本茶の知識の程度を測定するために年3回「日本茶検定」も行われている(同上巻末)。本稿で取り上げた『日本茶のすべてがわかる本』は日本茶検定公式テキストである。

Category: 事務所NEWS
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